佐伯さんですね、名前を呼ばれて振り返ったが、相手の顔を見ても誰だったが思い出せない、どちら様ですかと尋ねたのは当然だろう。 スーツ姿の男性は見た目は会社帰りのサラリーマンといった感じだ、だが、らしくないなと思ったのは感のようなものかもしれない。 にっこりと笑いながら初対面ですと言った相手は背を... 続きをみる
記者のブログ記事
記者(ムラゴンブログ全体)-
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自販機のコーヒーを飲みながら気持ちを落ち着けようとすると、後輩の柴村は先輩と興奮気味に声をかけた。 「あれ、なんだったんですかね」 佐伯は答えることができなかった。 まずいことをした最初は玄関からのつもりだったのに、だが、気配を感じて庭に向かって、こっそりと、つまりは覗きをしてしまったこと... 続きをみる
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完結していませんがpixivで変な改行になっていて手直し、タイトル変更しました。 「おいおい、そりゃあ、ガセじゃないのか」 折角の休みだっていうのに、佐伯は呆れた声を出したが、電話の向こうの相手、後輩はとんでもないと否定し、今すぐ、見てください、アドレスを送りますからと言葉を続けた。 先輩の意... 続きをみる
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まだ自分の上司は落ち込んでいるかもしれないと思いながら、ドアを開けると同時に女は声をかけた、だが、返事はない。 やはり、駄目なのかと思ってしまう、しかし、椅子を回転させ、くるりとこちらを向いた男の顔を見て驚いた、顔つきが違うのだ。 「それでこそ、ボスです」 ここ一ヶ月あまり、男は元気がなく、... 続きをみる