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オリジナル、二次の小説 舞台、役者 すきなもの呟いて書きます

相棒 相事件解決、まだ未定、三浦からのアドバイス

テーブルの上にはコンビニの惣菜だけではない、数種類の手作りらしい副菜が並べられて伊丹は思わず頭を下げた。
 汁物があった方が良いでしょうと出されたのは冷汁だ、市販のではない自分で作ったのだという。
 普段の独り身の自分の食事とは大違いだ、だが、いざ食べようとしたとき、玄関のチャイムが鳴った。


 一体誰だ、こんなタイミングでと思いながらドアを開けると、そこには三浦の顔があった。
 いきなり、何の用でと声をかけようとすると後ろからひょっこりと顔を出したのは亀山だ。


 いやー、すみません、悪いときに来ちゃいました、へらへらと笑いながら亀山は、おにぎりをばくばくと食べる。
 そんな亀山とは反対に三浦はちょっと気まずそうな表情だったが、どうぞと言われて遠慮するのもと思ったのか、テーブルの料理に箸をつけ始めた。
 「一体、何しに来たんだ、三浦さんなら分かるが、カメ、おまえまで」
 「右京さんから言われて来たんだよ」


 そう言ってポケットから取り出した紙切れを亀山は伊丹に見ろと言わんばかりに差し出した。
 アルファベットの文字を見て伊丹は、んっという表情になった、ただ単純に並べているだけに見えるが、名称、名前かもしれない。
 「レシートと粉と色々と調べていたら、右京さんがネットで気になるものがあるからって見つけたんだ、おまえにも知らせておこうと思ってな、あっ、美夜さんも」
 見せられた紙切れをじっと見ていた彼女がぽつりと呟いた。
 その言葉に思わず亀山が聞き返した。
 「知ってるんですか」
 「あっ、いえ、同じ名前だと思って」
 あるグループという呟きに亀山の顔が、はっとした表情になった。
 「それってもしかして、ネットのアイドルとかじゃないですか」
 「はい、友人が詳しくて、人気らしいんですけど」
 思い出そうとしているのか、彼女の言葉が途切れた。
 


 「ライブで薬を配った人間がいる、それが川田だというんですか」
 「どうでしょう、ただ、かなりの金が動いたようです」
 それで味を占めた、若者に売ればいい商売になると思ったんですかね、亀山の言葉に右京は静に紅茶を一口、ふうっと息を吐いた。
 ネットアイドルというのは、ある意味、アングラな闇の世界といってもいい、海外もだが、最近では日本でも公にできない事件がある。
 「実は、そのグループのメンバーの中に、ある関係者がいるらしいという噂があるようです」
 「関係者って」
 もしかして警察、公人ですかという亀山の言葉に、さあ、どうでしょうと右京は黙りこんだ。


 「太ったんじゃ、いや、冗談だ」
 三浦の言葉にむっとした顔つきになった伊丹だが、それはすぐに別の表情にかわった。
 「どうだ、この間、捕まえた奴」
 返事がないのは言いたいことを分かっているからだろう。
 三浦は言葉を続けた。
 「話を変えようか、どうなんだ」
 すぐには分からなかったのだろう、なんですと言いかけて、伊丹は三浦の顔を見た。
 「一緒に暮らしているんだろ、ずるずるしていたら、その気がないと思われて逃げられるかもしれないぞ、見合いだろう」
 「なっっ」
 「今回は長引きそうだからな(事件が)」
 心配してるんだぞと三浦は言葉を続けた
 「暇な時に相手の親に挨拶だけでもしておいたほうがいいぞ、刑事という仕事に理解がある人間ばかりじゃないからな、世間は」
 耳の痛い言葉だと思う、事件の最中に色々な人間に出会うが、中には警察という言葉を聞くだけで嫌悪の表情を浮かべる人間がいる。
 最近の警察はと、あからさまに文句を言う人間もいるくらいだ。
 「それはアドバイスですか、もしかして」
 「まあ、色々とあったからな、俺も」
 「三浦さんが、ですか」
 「おい、そこは突っ込むなよ」
 正直、三浦から、こんなことを言われるとは驚きだ、事件が片付いてからと思っていたが、それではまずいのか。
 見合い=結婚というものを自分は簡単に考えていたのではないかと伊丹は思ってしまった。
 「あの、ありがとうございます」
 真面目な顔で頭を下げられ、三浦は少し拍子抜けしたようだった。