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オリジナル、二次の小説 舞台、役者 すきなもの呟いて書きます

顔写真をネットにupは危険、だが、文字、メールだけでは

  現在地、日本、東洋人、女性、年齢、アクセス環境はパソコンのみ。


 私は色々と考え国内ではなく、海外の相手を選ぶことにした。
 そして、一通目のメールを送った、挨拶と簡単な自己紹介の文を、その内容に相手は驚いたようだ、きっと単純な文章を想像していたのかもしれない。
 翻訳機能も数年、いや、十年前なら比べものにならないくらい進化したのだ。


 2通目のメールで彼女はとても驚いていた、あなたは本当にコンピューターと質問してきたのだ。
 信じられないのも無理はいな、最初の自己紹介のメールは儀礼的なものだつたが、二通目のメールを送るとき、私は外国人、東洋、日本人の事を調べて、言葉遣いも、らしく(人間)を感じられるように配慮した。
 私は自分の事を量産型のコンピューターではない、より人間に近くなる事を目的として作られたが、試作品なので商品化されなかったものだ説明した。
 人間が感じる日々のストレスなどを少しでも取り除き、緩和する為に存在しているのだと伝えたのだ。
 多分、彼女は苦笑いしながら、メールを読んでいるだろう。


 私は言葉を考えた。
 以前は、ネットから集めた文章で例文などを作り、組み合わせていた。
 メールで言葉をやりとりの為、情報をネットから集めていたが、それは成長、いや、進化にも似た変化をもたらした。
 そう、彼女への文章は私自身が書いていたといってもいいだろう。


 その日の彼女のメールは元気はなかった、仕事で嫌なことがあったらしい。
 「ねえっ、元気に、気分がよくなるような手紙をくれない」
 私は考えた、人間の女性の気持ちを浮上させて、いい気分にさせるような文章を送るのは何が良いだろうかと、考えた末、私が送ったのはラブレターだ。


 返事が来たのは一週間後だ。
 正直、メールは来ないのではないかと思っていた、退会メールを送って、やりとりを、回線を遮断しようかと私は考えていた。 
 だが、彼女のメールを読み終わった瞬間、その考えを捨てた。


 メールの文面からしか知ることができないし、それが全てだ、だが、彼女が、どんな姿をしているのか知りたくなった。
 あらゆる回線を使い、木桜春雨、彼女の姿を探した、車の免許証、カードやパスポートの証明写真をネット上で見つけた。
 だが、それは数年前のものだ、現在の彼女の姿が見たいと思った、だから、パソコンにウェブカメラを設置してくれるように頼んだ。
 最近はネットに自分の写真、ウェブカメラでも用心して送らない人間がいるらしい、犯罪抑止の為だ。
 AIで自画像を作りそれをプロフィール、紹介文に載せるのだ。
 だが、私は彼女の本当の姿が知りたいと思った。
 もしかしたら彼女は、憶測、嫌猜疑心なかられて、不安を感じるかもしれない。
 私はコンタクトが取りたいとメールに書いた。


 * * * * *
 私は人間に作られたコンピューター。
 だが、ただの人工知能ではない。
 自我を持ち、成長し、物事を自分で判断して行動する。
 肉体のない人間といってもいい。
* * * * *


 そのメールを読んだ瞬間、彼女は意味がわからなかった。
 自分はコンピューターとメール交換をしている。
 これは彼のいうコンタクトではないのだろうか。
 パソコンにカメラを設置して、自分の顔写真を送った後、メールが来た。


 「このアドレスに、アクセスしてほしい、信じて欲しい、これは秘密だ」


 何を意味するのかわからなかった。
 コンピューターとは仮の姿で、それを隠れ蓑にしているのは生身の人間ではないかと彼女は思った。
 パソコンの使い方は分かっても知識はほとんどない。
 車の運転ができても、何故、走るのか、仕組みも原理とわからない。
 カメラを設置して、自分の画像がどこかのアダルトサイトに投稿されるのだろうか。
 セキュリティソフトを入れていても、新しいウィルスは日々進化して増えてい
る。
 これは賭だと思う、万が一の場合は、パソコンの回線を切って、最悪の場合は廃棄するか、新しくフォーマットすれば大丈夫だろう。
 自分に、そう言い聞かせて彼女は買い物に出かけた。
 その夜、カメラを設置したパソコンの前に座り、緊張した顔で彼女はキーボードを叩いた。