好きなモノ、書きたいもの、見たいもの、舞台映画、役者とか

オリジナル、二次の小説 舞台、役者 すきなもの呟いて書きます

無題、まだタイトル決めていない

 別れましょうと妻から言われたとき、裕はやはりと思いながら頷いた、選択がそれしかなかったからだ。
 自分が悪いといえばそれまでだが、どうしても役者になりたいという夢を捨てることができないまま、ずるずるとここまできてしまった。 十代、二十代なら若さと勢いでなんとかなったかもしれない。
 だが、結婚して四十も半ばになると我慢できなかったのかもしれない。
 最初から不安はあったのだ、結婚して人生をやっていけるだろうかと、彼女には連れ子がいた。
 若いときの子供で二十歳を過ぎた息子は離婚すると言った瞬間、やっぱりという表情になった。
 薄々は感じていたのかもしれない。
 「役者、続けるんだろう」
 一瞬、返事をするのを躊躇った。
 何か返事をしなければと思ったときだ。
 「母さん、男いるよ」
 裕は、はははと笑った。
 気づかなかったよと呟くと息子はそうと頷いた、元々会話は少なかった、かといって仲が悪い、険悪なというわけではない。
 奇妙な沈黙がしばらく続いた後。
 「舞台やめるなよ」
 そう言われて頷くことしかできない自分に脱力してしまった。


 今時、離婚なんて珍しくもない、自分が一人になったということを話すと飲み屋のマスターはやっぱりという顔になった。
 「でもいいんじゃない、なんかすっきりとした顔よ」
 言われて裕はそうなのかと思った。
 「役者、やめろって言われたたんでしょ」
 その言葉に不思議そうな顔をした、以前、愚痴っていたじゃないと言われて驚いた。
 「酔い潰れた時よ、憶えてないんだ」
 忘れてたと、ぼそりと呟くとマスターは笑った。
 「あたしも、やめろって言われたのよ」
 何を、聞くと秘密と返されてしまった。
 「人に言われたからって簡単にやめられないわ、あたしはね」
 その言葉に思わず頷いてしまった、自分も好きだからだ。


 「サワさーん」
 不意に呼び止められて振り返るのを躊躇ったのは相手が誰だかわかったからだ。
 知らないふりをしようかと思ったが、待ってよーという甘えるような声と足音に仕方ないと裕は振り返った、駆け寄ってくるのは長身の若い女性だ。


 「やっぱり、サワさんだ、良かった、今日晩ご飯の予定ある」
 すぐに返事をしなかったせいか、ないんだねと言われて内心、しまったと思ってしまったが遅い。
 「あのね、ピザを食べに行かない、凄く大きくて一人じゃ食べきれないのよ、だから男が一人いると助かるのよ、あっ、ハルさんも一緒だから」
 「また、彼女を連れ回しているのか」
 「何、その言い方、だってピザ、食べたことないっていうの、だからね、今日は金曜日だし、事前に予約しているの」
 そうかと裕は内心がっくりと肩をおろした。
 ふと視線に気づいて通行人が自分たちを見ている事に気づいて恥ずかしくなった。
 「仕事の帰りなのかい」
 「休憩なのよ、昼ご飯食べようと思ってハルのとこに行くの」
 「またかい」
 「ねえっ、考えてくれた、一緒に住むって」
 本気だったのかと裕は驚いた。
 「事務所、マネージャーが反対するだろう、君はアイドルだ」
 「はあっっ、何、それ」
 芸能人じゃないけどと相手は一瞬むっと、いや、不満げな顔になった。
 いや、少し前にテレビに出てたし、ドラマの出演が決まるとか言ってただろう。
 すると女性はぶんぶんと首を振った。
 動画サイトでアクセス数が増えてニュースになっただけのことだ、そんな人間は大勢いる。
 「あれはね、仕方なくよ、今月の末から勉強、それで住む場所の事とか決めたいのにサワさん、うんと言ってくれないから、三人で住めば安心だと思うのよ」
 女二人にオヤジ一人で一軒家に住む、んっっと裕は不思議そうな顔になった。


 
思いついたネタだけど、消すのも勿体ないし、ブログに書いておけば万が一の時に使えるかもしれないと思って書きとめておくことにしました。
役者と動画サイトから人気の出たアイドルと他にもキャラいるのですが、


「母の複雑情事と恋愛が原因で、娘の人生は恋愛と家族は、もっとこんがらかった」


をいずれ書き直したいと思っているのだが、この出だしはそれの練習だ。